『ルックバック』は、藤本タツキ先生の“説明不要の名作”と言ってしまっていい一作だと思います。これを最高評価しないのは、正直かなりの逆張り寄りなんじゃないかとすら感じるレベル。

個人的には、藤本タツキ先生の長編は“キャラの心情が読めなさすぎる天才性”があって、凡人の自分には少しだけ共感しづらい瞬間があるのですが、短編ならキャラクターよりも「作品全体として描きたいもの」がくっきり浮き上がるので、凡人側の視点でも完全についていけるし、それがとにかく天才！面白い！

その中でも『ルックバック』は屈指の完成度。

読者全員が同じ努力や経験をしてきたわけではないのに、なぜかほぼ全員の心に刺さる構造になっていて、しかもシニカルな部分の効かせ方が本当に絶妙です。

ほとんどの人は一度は目にしていると思いますが、改めて読み返してほしい作品でもあります。
そして、まだ読んだことがない人は本気で“今すぐに”読んでみてほしい。